テニスジュニア育成のロードマップ

2020/05/22
 
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小学校時代に硬式テニスを始め、大学ではスポーツ科学について学びました。 戦術的なテニスプレーヤーを育成して、おもしろいテニスをするプレーヤーを増やし、日本テニス界の更なる発展に少しでも貢献できればと考えています。

こんにちは、トモヒトです。

 

将来、テニスのジュニア育成に携わりたいと考えているので、現在勉強中です。

今回は、その内容をシェアしようと思います。

テニスのジュニア育成ではどのような流れで進めていくのがいいのか、どのタイミングでどんなトレーニングが必要なのか、大まかなロードマップのようなものをまとめていこうと思います。

ジュニア育成の基本的な考え方

まずは、ジュニア育成の基本的な考え方についてまとめてみます。

ジュニア育成では、発育発達に応じたトレーニングを行うことが重要となります。

器官ごとに発育の進み方が異なるので、それに合わせてトレーニング内容を変えていくことが求められます。

 

ただし、発育には個人差があり、そこがジュニア育成の難しいところでもあります。

同じ年齢でも、発育の早い子と遅い子だと、必要なトレーニング内容が変わってきます

そこで、最近ではPHV(Peak Height Velocity)を基準にする考え方が主流となっています。

 

PHVとは、身長の伸びが急速になる時期のことを指します。

このPHVの前・中・後で適切なトレーニング内容が変わります。

具体的には、

  • PHV前→神経系のトレーニング(コーディネーショントレーニング・動きづくり・基本的な技術の習得)
  • PHV中→心肺機能のトレーニング(持久力トレーニング)
  • PHV後→筋力・パワーのトレーニング(ストレングストレーニング・プライオメトリック)

 

PHV前のトレーニング

神経系の発育がほぼ完成するPHVまでに、神経系のトレーニングをしっかりとすることが、将来的な伸びしろを決めるといっても過言ではありません。

この時期に、テニスの基本的な技術を習得すると同時に、コーディネーショントレーニングや基本動作の習得に取り組むことが大切です。

また、体力面では敏捷性(アジリティ能力)を高めておくことが重要です。

テニスの基本的な技術の習得

テニスの基本的な技術は、各ショット(サーブ・リターン・ストローク・ボレー・スマッシュ)の打ち方だけでなく、ボールコントロール能力を磨くことが必要になります。

ボールコントロール能力には、コースの打ち分けだけでなく、回転や球速、高さの変化をつけることも含まれます。

打ち方に関しては、細かい技術指導というよりは、ベースとなる身体の使い方を身につけさせることを大事にします。

 

また、テニスに必要なフットワークもしっかりと身につけておくことが必要です。

 

コーディネーショントレーニング

コーディネーション能力は、技術の土台です。

質の高い技術を身につける・発揮するためにも、コーディネーショントレーニングを早い段階から取り入れることは重要です。

次の「基本動作の習得」と合わせて、エクササイズのバリエーションを増やしていくことで、様々な刺激を与えていきます。

 

基本動作の習得

これは何のことかというと、「スポーツの専門的な動作の土台」のようなものです。

大まかに分けると、「バランス能力」「自分の身体を操作する能力」「道具を操る能力」の3つに分かれ、その中には次のようなものが含まれます。

バランス能力
  • 立つ
  • 起き上がる
  • 寝転がる  など
自分の身体を操作する能力
  • 走る
  • 飛ぶ
  • 止まる   など
道具を操る能力
  • 投げる
  • 打つ
  • 捕る    など

基本動作は、外遊びの習慣があれば様々な運動を通して身についていくものです。

しかし、現在では外遊びの機会の減少や早期のスポーツ専門化によって、基本動作がうまくできなかったりできる動作とできない動作の差が激しかったりということが出てきています。

運動能力の土台づくりという意味でも、様々な運動(動き)を経験させることは必要だと思います。

 

とはいえ、限られた練習時間で様々な運動をさせるのは大変です。

少ない時間で数多くの動作を経験させるには、次のような工夫が考えられるかと思います。

  • コーディネーショントレーニングのバリエーションとして、テニスではあまりしない動作(蹴る、逆立ちなど)をしてみる
  • テニスの技術に関連する基本動作(投げる、打つなど)を技術トレーニングの中に組み込む
  • リフレッシュ目的で、クロストレーニングとして別のスポーツをしてみる(テニスでは経験しないような刺激を与えることで、コーディネーション能力向上につながる可能性も考えられる)

 

敏捷性(アジリティ能力)

テニスのラリースピードが上がっているため、敏捷性(アジリティ能力)の重要性も高まっています

アジリティ能力には神経系(コーディネーション能力)も関わってくるため、コーディネーショントレーニングの中で高めていくとよいかと思います。

 

PHV中のトレーニング

PHV中には、心肺機能のトレーニングをメインに行います。

心肺機能のトレーニングでは、「長距離走」と「インターバルトレーニング」を状況に応じて組み合わせるとよいかと思います。

長距離走

テニスは「間欠性持久力」を求められる競技なので、長距離走の必要性を疑問視される方もいるかと思います。

確かに、テニスの競技性を考えればインターバルトレーニングだけでも十分かもしれません。

ですが、長距離走を取り入れるメリットもあります。

  • 何らかの理由で練習期間が空いたプレーヤー(怪我、学校の試験期間など)がベースとなる持久力を取り戻すのに長距離走を入れる
  • 暑さに身体を慣らすために、ゆっくりと長距離を走らせ気温に順化させる

長距離走で心肺機能が上がれば、酸素を身体に取り込む時間が上がり、ポイント間での回復力向上を見込むことができます。

 

インターバルトレーニング

テニスでは「ストップ&ダッシュ」を繰り返すという競技特性を考えれば、インターバルトレーニングは取り入れておきたいところです。

コート外であれば一定の距離でのダッシュとジョグを繰り返す、コート内で行うのであればフットワークトレーニングのメニュー(スパイダー、ラインタッチなど)を一定の休憩時間を挟みながら行うという方法が考えられます。

 

PHV後のトレーニング

身長の伸びが落ち着いてきたら、本格的なウエイトトレーニングプライオメトリックトレーニングを取り入れていきます。

ウエイトトレーニング

ビッグ3(ベンチプレス・デッドリフト・スクワット)で基礎筋力をトレーニングしつつ、体幹の回旋動作やランジ動作などテニスの動作に関連する動きを鍛えるエクササイズを取り入れます。

また、爆発的なパワー発揮のためにクイックリフトも取り入れます。

怪我予防の観点からは、前腕部(手首)のトレーニング(リストカールなど)や肩周り(ローテーターカフのチューブトレーニングなど)もしっかりと取り組んでいきます。

 

プライオメトリックトレーニング

強いボールを打つ、より素早くコート上を走るためには、プライオメトリックトレーニングでパワーを高めることが必要です。

ショットの威力向上にはメディシンボールスローが、フットワーク向上にはバウンディングやシザースなどが有効です。

ただし、ベースとなる筋力がしっかりできていないと、プライオメトリックトレーニングの効果が得られないだけでなく怪我のリスクも高まるので、注意が必要です。

 

最後に

今回は、テニスのジュニア育成についてまとめました。

特に、PHV前の神経系のトレーニングは、後から取り戻すのが難しいためしっかりと取り組みたいところです。

 

最後に、今回の記事の参考資料をご紹介します。

  • 日本テニス協会:テニス指導教本Ⅰ(2015)
  • リチャード・ショーンボーン:ショーンボーンのテニストレーニングBOOK(2007)
  • ベースボールマガジン社:コーチング・クリニック(2018年11月号)

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

ご意見ご感想ありましたら、ぜひコメントお願いします。

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小学校時代に硬式テニスを始め、大学ではスポーツ科学について学びました。 戦術的なテニスプレーヤーを育成して、おもしろいテニスをするプレーヤーを増やし、日本テニス界の更なる発展に少しでも貢献できればと考えています。

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