ショット数とポイント獲得率の関係から考える!サーブゲームとリターンゲームの戦術

 
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小学校時代に硬式テニスを始め、大学ではスポーツ科学について学びました。 戦術的なテニスプレーヤーを育成して、おもしろいテニスをするプレーヤーを増やし、日本テニス界の更なる発展に少しでも貢献できればと考えています。

こんにちは、トモヒトです。

今回は、ポイント獲得率からサーブゲームとリターンゲームの戦術について考えていきます。

 

サーバーとレシーバーでは、サーバー側が有利とされています。

そのため、サーブゲームとリターンゲームでは、戦術の考え方が変わってくるはずです。

では、どのように考えていけばいいのでしょうか?

今回は、ショット数とポイント獲得率の関係から、サーブゲームとリターンゲームの戦術について考えていきます。

ショット数とポイント獲得率の関係

まずは、ショット数とポイント獲得率の関係について見ていきます。

今回は、2019年の全豪オープン決勝のジョコビッチvsナダルの試合に基づいて進めていきます。

次の表は、ショット数別にサーバーとレシーバーのポイント獲得数・獲得率をまとめたものです。

ショット数 ポイント獲得数 ポイント獲得率(%)
サーバー レシーバー サーバー レシーバー
1~2 37 1 97.4 2.6
3~4 28 12 70.0 30.0
5~6 7 6 53.8 46.2
7~8 11 9 55.0 45.0
10~ 5 16 23.8 76.2

下のグラフは、ショット数別のサーバーとレシーバーのポイント獲得率を表しています。

ここから述べることは、あくまでもこの1試合のデータに基づいたものです。

そのため、全ての試合に当てはまるかは、さらに調べる必要があると思います。

それを承知の上で、意見を述べていきます。

 

表を見ていくと、7~8ショットまでは、サーバーのポイント獲得率が50%を上回っています。

それが、10ショット以上のラリーでは、レシーバーのポイント獲得率が逆転しています。

ちなみに、7ショット目と8ショット目でのポイント獲得率を見ると、次のようになります。

ショット数 ポイント獲得数 ポイント獲得率(%)
サーバー レシーバー サーバー レシーバー
7 9 5 64.3 35.7
8 2 4 33.3 66.7

 

ここから、サーバーは7ショット目までにポイントを決めることが重要だといえます。

反対に、レシーバーは8ショット以上ラリーを続けることができれば、サーバー側の優位性をなくすことができると考えられます。

 

サーブゲームでの戦術と練習のポイント

ここまでの内容をもとに、戦術と練習のポイントをまとめていきます。

まずは、サーブゲームでの戦術と練習のポイントについて考えていきます。

サーブゲームでの戦術

サーバーの優位性を保ったままポイントを取るには、7ショット目までに決めることが重要だと述べました。

7ショット目までということは、サーブ+3ショットまでに決めるということですが、実際のラリーを見ていた感じでは少し違うような気がしました。

7ショット目で決まったポイントというのは、5ショット目でウィナーを狙ったショットがかろうじて返され、それをオープンコートにしっかり決めるという内容だと感じました。

そのように考えると、5ショット目までにポイントを決めるようにラリーを組み立てることが必要だと考えます。

さらに細かく見ていくと、リターンでのセンターセオリーに対するセンターからの展開5ショット目までの展開から逆算したサーブが必要になってくると思います。

 

サーブゲームでの戦術練習のポイント

これらを踏まえて、サーブゲームでの戦術練習のポイントについて考えていきます。

サーブゲームでの戦術練習に特化するのであれば、7ショットまでというショット数に制限をかけてポイント形式を行うのが良いと思います。

実際、それ以上のラリーではサーブの効果はかなり薄れ、ストロークの打ち合いを制した方がポイントを取るという内容がほとんどでした。

もちろん、長いラリーでのポイントを練習することも必要ですが、8ショット以内にポイントが決まることがほとんどです。(今回の試合でも、8ショット目までに決まったポイントが全体のおよそ84%を占めていました)

この結果を考えると、少ないショット数でポイントを決める練習はしっかりと行うべきだと思います。

 

また、サーブからのセンターへのリターンに対する3球目の展開を切り取ったドリルも効果的だと考えます。

センター深くのボールを返せる範囲は、サイドから打つのに比べて狭く、相手の返球可能範囲を狭くするのに効果的なボールです。

加えて、コーナーを狙うよりもリスクも低いことから、リターンでのセンターセオリーは主流だといわれています。

これは、サーバー側のセンターからの展開力がサーブゲームをキープするためのカギとなるともいえるのではないかと思います。

 

リターンゲームでの戦術と練習のポイント

次は、リターンゲームについて見ていきます。

リターンゲームでの戦術

データから見ても、ラリーが長引けば長引くほど、レシーバーがポイントを取れる確率が上がります。

これは、ラリーが続くにつれてサーブの優位性が薄れてくるからです。

実際、10ショット以上かかったポイントは、ストロークラリーでの打ち合いを制した方がポイントを取っており、ほぼストローク力によるものという感じでした。

ただし、ただ漠然と返していたのでは不十分です。

ボールの深さや回転で、相手が決定打を打ちにくいラリーをしていくことがポイントだと考えます。

つまり、相手の攻撃しにくいボールで8ショット以上ラリーを続けることが必要だといえます。

 

こう書くと、「では、リターンゲームでポイントを取るには、長いラリーをしなければならないのか?」となってくるかと思います。

もちろん、長いラリーをしなければリターンゲームでポイントを取れないというわけではありません。

7ショット以内のラリーでレシーバーがポイントを取ったパターンとしては次のようなものがありました。

  • 攻撃していたサーバー側のミス
  • レシーバー側のカウンター
  • レシーバー側のショットが良く、攻守が入れ替わった

1番目の「サーバー側のミス」は完全にはコントロールできないので、2番目の「カウンター」と3番目の「良いショットでの攻守の切り替わり」について考えるのが良いかと思います。

ちなみに、3番目の攻守が切り替わるポイントだと感じたのが、「サーバー側が走らされた状態でセンターに返球したとき」でした。

リターンゲームでも、攻撃していくには「センターからの展開」は必要になってくるのかもしれませんね。

 

これらを踏まえると、リターンゲームでの戦術は次のように考えられます。

  • サーブの優位性をなくすために、攻撃されにくいボールで8ショット以上ラリーする
  • チャンスがあれば、攻守の入れ替わりを狙ったショットを打つ

 

リターンゲームでの戦術練習のポイント

リターンゲームでの戦術練習であれば、まずは8ショット以上ラリーをすることを意識してポイント形式を行うのもアリかと思います。

攻撃されにくいボールを意識するために、コートの深い位置にターゲットゾーンを設定すると、やるべきことを明確にしやすいと思います。

加えて、甘いボールが来たら攻撃に転じる練習も必要です。

例えば、セカンドサーブに対して攻撃的なリターンを打つ練習や、リターンをセンター深くに返した後にカウンターを狙うという条件でポイント形式を行うのも必要だと思います。




最後に

今回は、試合でのショット数とポイント獲得率の関係から、サーブゲーム・リターンゲームでの戦術について考えました。

  • サーブゲームでは、5ショット目までにポイントを決める展開力が必要
  • リターンゲームでは、8ショット以上ラリーを続けるか、チャンスで攻撃する

これらを意識するだけでも、ポイント形式の質が変わるかと思います。

この記事の内容をもとに、サーブゲーム・リターンゲームでの戦術を組み立てて、練習に取り入れてみてください。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

ご意見ご感想ありましたら、ぜひコメントお願いします。

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