武器を磨く!ラリーで得意なショットを活かす方法を身につけよう
こんにちは、トモヒトです。
今回は、テニスの基本戦術である「得意なショットを使う」ためのラリーをご紹介します。
得意なショットはプレーヤーによって異なるため、まずは得意なショットが何かを把握することが重要です。
ここでは、ショットごとにラリーを紹介していきます。
もくじ
サーブが得意なプレーヤーには
サーブが得意なプレーヤーは、「3球目攻撃、5球目攻撃」を磨いていきます。
そのため、ここで紹介するラリーは5球目までにポイントを決めるという条件をつけて行ってください。
ラリーが長引けば長引くほど、サーブの効力は弱まってきます。
得意なサーブの質・バリエーションを高めていくのはもちろんのこと、サーブの後の攻めのショットを磨く必要があります。
特に最近のリターンはセンターセオリーを重視する傾向があるため、センターへのリターンに対する次の組み立ては重要です。
センターへのリターンからのラリー
サーブからのラリーですが、リターンはセンター深くを狙わせます。
センター深くからは角度をつけにくく、攻撃するのが難しいです。
3球目でコートの両サイド深くを狙うのか、サービスライン付近を狙って角度をつけるのか、アプローチショットで前につめて次のボレーで決めるのか、など様々な攻撃のアイデアを持って練習しておくことが必要です。
リターンのコースを自由にしてラリー
今度はリターンのコースも自由にした状態でラリーをします。
そのため、サーバーはリターンのコースを読む必要があります。
ここでのポイントとして、どんなサーブを打ったらどこにどんなボールが返ってきやすいかを意識してラリーさせます。
これを意識することで、配球を考える材料を得るのに加えて、予測能力の向上にもつながります。
フォアハンドが得意なプレーヤーには
フォアハンドが得意なプレーヤーは、「回り込みフォア」が鍵となります。
フォアハンドが得意な場合、相手はバックハンドで打たせようとするためバック側にボールが集まりやすくなります。
そのボールを回り込みフォアで攻撃できれば相手にプレッシャーをかけることができます。
ただし、その回り込みフォアが甘くなればフォア側に大きく空いたオープンコートにカウンターをくらう可能性があるため、精度と球質を高めることが重要です。
バックサイド半面vs全面(半面側はフォアのみ)
まずは徹底的に回り込みフォアをトレーニングするラリーで、質を高めていきます。
バックサイド半面と全面のラリーで、半面側はフォアのみでラリーをします。
狙いを明確にするために、ターゲットゾーン(ストレート、逆クロス、逆ショートクロス)を設定するのも効果的です。
このラリーでのポイントは、半面側も全面を守っているつもりでリカバリーを行うことです。
半面だからとポジショニングをおろそかにしたのでは、全面でのラリーでは使えないということになりかねません。
より負荷を高める場合には、全面側を2人で守らせてラリーするという方法も考えられます。
全面vs全面でのラリー
半面で回り込みフォアがある程度打てるようになったら、次は全面でのラリーです。
このラリーでは全てのボールをフォアハンドで打つ必要はないですが、できるだけフォアハンドで打つようにします。
このラリーでのポイントは、どこまでなら回り込みフォアが打てるかを把握することです。
ミスしてもいいので積極的に回り込みフォアを使って、これ以上バック側のボールだと回り込むにはリスクが高すぎるというのを把握しておくことは重要です。
相手のレベルによっても変わってきますが、おおよその目安は把握しておきます。
バックハンドのクロスラリー(フォアを打てるのは1回だけ)
「フォアの強化でなぜバックハンドのクロスラリー?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、全てのボールをフォアで打つことはできません。
相手のレベルが上がってくれば回り込みフォアを簡単には打たせてくれません。
そのため、バックハンドのクロスラリーで回り込みフォアのチャンスを作れるようになることは必要です。
バックハンドのクロスラリーで、フォアハンドは1回のみ(コースは全面のどこに打ってもよい)という条件をつけて行います。
漠然とクロスラリーをしたのではチャンスを作ることは難しいので、回転や角度、高さなどバリエーションのある配球をして相手を崩すことを意識します。
また、どのタイミングで回り込みフォアを打つかもポイントです。
フォアハンドを打てるのは1回だけなので、無理に打ちに行って無駄にするのは避けるべきです。
どのボールなら回り込みフォアで決められるのか、どこに打つのが良いかを瞬時に判断することが求められます。
バックハンドが得意なプレーヤーには
バックハンドが得意なプレーヤーの鍵となるショットは、「バックハンドのダウンザライン」と「センターからの逆クロス」です。
これらは、お互いに右利き(左利き)の場合、相手のフォア側へ打つことになるため、高い精度が求められます。
その前の展開も含めて、トレーニングする必要があります。
ストレート(センターからの逆クロス)でのラリー
まずは、バックハンドのダウンザラインとセンターからの逆クロスを磨くことから始めます。
バックハンドのダウンザラインであれば、サイドラインの内側の深い位置にターゲットゾーンを設定し、コントロール重視でラリーをします。
このとき、様々なポジション・球種に対して高い精度を発揮できるように、相手も様々なボールを打ち分けます(これ自体もボールコントロールのトレーニングになります)。
センターからの逆クロスであれば、ダウンザラインのときと同じかサービスラインの後ろ(少し角度をつける場合)にターゲットゾーンを設定します。
このラリーでも、相手はセンターに様々なボールを打ち分けます。
この2つのラリーでは、とにかくショットの精度を重視して行わせます。
バックハンドのクロスラリー
次は、その前の展開も含めたラリーをしていきます。
バックハンドのクロスラリーをしてチャンスが来たら、ダウンザライン(センターからの逆クロス)を打ちます。
理想はそのショットでポイントが決まることです。
もし甘くなれば、相手のフォアハンドのカウンターで形勢逆転される危険があります。
ウイニングショットの精度はもちろんですが、その前の配球やストレートへ展開するタイミングを適切に判断することが重要です。
バックハンドが得意であればバックハンドを磨くというのはもちろん大事なことですが、バックハンドだけでは上のレベルでは勝つのが難しくなります(フォアハンドほど脅威とはならないため)。
そのため、バックハンドを磨くのと並行して、別の武器も磨くことをお勧めします。
ネットプレーが得意なプレーヤーには
ネットプレーを活かすには、「アプローチショット」と「スマッシュ」が鍵を握ります。
アプローチショットは次に続くネットプレーを優位に進めるためのショットです。
そのため、「適切なポジショニングに必要な時間を得られること」と「相手のショットの攻撃性を下げられること」の2つが要求されます。
そしてスマッシュは、「ロブを上げたら終わりだ」と思わせるくらいの安定性と攻撃性を兼ね備えておく必要があります。
ボレーvsストロークでのラリー
まずはボレーvsストロークのラリーでネットプレーの質を高めます。
ここでのポイントは、ストローカーがネットプレーヤーを本気で抜こうとすることです。
普段行うボレーとストロークのラリーではお互いに打ちやすい位置に打つことが多いと思います。
ですが、このラリーでは実戦で使えるネットプレーを磨くことが目的です。
そのため、足元に沈める、パッシングショットで抜きにいくといったゲームを想定した配球をストローカーに要求する必要があります。
ロブを打つときも、ネットプレーヤーにスマッシュさせないつもりで打ってください。
そのようなロブでも安定してスマッシュできるようになって、初めてスマッシュが相手にとって脅威となるといえます。
アプローチショットの1球前からラリー
このラリーではアプローチショットの1球前からスタートします。
ネットプレーヤー側からの球出しでスタートしますが、この球出しは次のアプローチショットをイメージして自由に出してよいことにします。
つまり、出すコースはもちろん、回転やスピードなども自由ということです。
この球出しは、次のアプローチショットにつなげるための布石となるショットという意味合いがあります。
そのため、漠然と相手の打ちやすいところに出すのではなく、「次のアプローチショットでこうしたいから、この球出しで相手をここに動かしておこう」と配球をイメージして出させるようにします。
そして、アプローチショットも2つの要求が満たせているか確認しながら様々なボールを試してみてください。
アプローチショットのバリエーションが増えれば相手を混乱させることにもつながります。
最後に
今回は、テニスの基本戦術である「得意なショットを使う」ためのラリーをご紹介しました。
他の戦術習得のためのラリーもそうですが、実戦をイメージして行うことが大切です。
お互いに相手の嫌がるボールを打ちあいそれに対応することで、実戦でも使えるプレーを磨くことができます。
実戦で使えるプレーを磨くためのラリーであれば、お互いに同意した上で相手との駆け引きをしてラリーをしてください。
最後に、今回の記事の参考資料をご紹介します。
- 堀内昌一:テニス丸ごと一冊 戦略と戦術① 戦術を考えるために必要な基礎知識(2012)
- 堀内昌一:テニス丸ごと一冊 戦略と戦術③ ゲームの最終局面、ポイント獲得!(2017)
最後までお読みいただきありがとうございました。
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