テニスは5つに分割して考える!戦術のヒントになる「システム5」

こんにちは、トモヒトです
今回は、戦術のヒントになる「システム5」について見ていきます。
この「システム5」は、5つに分割して考えるというもので、テニスで重要となるショットの判断のカギにもなります。
戦術的なプレーを取り入れる上で重要な考え方なので、しっかりと理解していきましょう。
コートの5分割
まずは、コートの5分割について見ていきます。
コートの5分割は、縦に分けるパターンと横に分けるパターンがあります。
特に、コートを縦に5分割する考え方は、他の部分との関連も深いのでとても重要です。
縦のコートの5分割
まずは、縦のコートの5分割から見ていきましょう。
分割する場所は、人によって多少の違いはありますが、このような感じとなります。
コートの分割はもちろんですが、それ以上にそれぞれのゾーンで求められるプレーが異なっているということが重要です。
ZONE1 | ポイントを決める |
ZONE2 | ウィナーを狙う、またはZONE1に詰めるためのショットを打つ |
ZONE3 | テンポを早めたり、アプローチショットでネットに詰めたりと、攻撃を仕掛けていく |
ZONE4 | 攻守を判断しながらラリーをする |
ZONE5 | 攻撃されにくいボールを返し、ZONE4に戻れるように体勢を整える |
ただし、このゾーンごとのプレーも、選手のプレースタイルや技術レベルによって変わってきます。
例えば、少し前のR.ナダル選手は、ZONE5付近から強力なスピンボールで相手を崩すような攻撃もしていました。
特に、ZONE4でのプレーが、プレースタイルによって大きく分かれるかと思います。
攻撃的なストローカーであればZONE4からチャンスがあればウィナーを狙いにいくでしょうし、守備を得意とするプレーヤーならここでリスクを負って攻撃はしないでしょう。
いずれにしても、自分に合ったゾーンの区分けと各ゾーンでのプレーを明確にしておくことは、戦術的なプレーを展開する上でも重要です。
普段の練習から、「ZONE4ではこういうプレーをしていこう」「この位置より前ならウィナーを狙いにいけそうだ」と、ゾーンとプレーの関係を意識しておく必要があります。
横のコートの5分割
次は、横のコートの5分割についてです。
AとBの境界線はセンターラインとシングルスサイドラインの中間、BとCの境界線はシングルスサイドラインが目安となります。
横のコートの5分割でも、ポジションごとに打つべきショットが変わってきます。
A | フォアに回り込んで優位にラリーを展開していく |
B | 体勢が整っていればパッシングショットやアングルショットで仕掛けていくが、走らされていれば守備的なボールでリカバリーの時間を作る |
C | リカバリーの時間を作るようなショットを打つ(ここからの攻撃はリスクが高く、基本は守備) |
また、Aでは細かいステップ(スモールステップ)が必要なのに対して、BとCでは大股でのステップ(ビッグステップ)が求められます。
横の区分とショットの選択、必要なフットワークの3要素を関連づけて練習しておくと効果的です。
テイクバックの5分割
次は、テイクバックの5分割について見ていきます。
これは、簡単にいうと「ポジションが前のZONEであればあるほど、テイクバックは小さくなる」というものです。
実際のプレーをイメージすれば分かりやすいかと思います。
例えば、ZONE1やZONE2でボレーをするときには、時間的な余裕がないのでコンパクトなテイクバックが必要になりますね。
反対に、ZONE4やZONE5からストロークを打つときは、時間的な余裕がある上ボールを飛ばさなければならないため、テイクバックは大きくなります。
テイクバックの大きさの目安としては、打点を基準にラケットの本数(フェースの横幅)で考えます。
ZONE1なら打点からラケット1本分、ZONE3なら打点からラケット3本分といった感じです。
ボールの軌道の高さの5分割
次は、ボールの軌道の高さの5分割について見ていきます。
これは、ネットを基準にラケット何本分の高さかで考えていき、ネットを通す高さとショットの目的を関連づけて考えるというものです。
ZONE1 | ネット~ラケット1本分の範囲 | ポイントを決めにいくショット |
ZONE2 | ラケット1本分上~ラケット2本分の範囲 | 攻撃的なショット |
ZONE3 | ラケット2本分上~ラケット3本分の範囲 | 攻撃を仕掛けていくショット |
ZONE4 | ラケット3本分上~ラケット4本分の範囲 | ラリーをつなげるショット |
ZONE5 | ラケット4本分上~ラケット5本分の範囲 | 時間を作る守備的なショット |
これは、縦のコートの5分割と関連づけるとイメージしやすいと思います。
もちろん、状況によっては縦のコートの5分割と高さの5分割が一致しないこともあります。
(例:ZONE4からのパッシングショットでZONE1の高さを狙う、ZONE4からペースに変化をつけるためにZONE5の高さのボールを打つなど)
簡単にまとめると、「攻撃的なショットほどネットから低い位置を通して、守備的なショットほどネットから高い位置を通す」といった感じです。
ショットの意図と高さの5分割の関係を意識してボールを打つようにしましょう。
最後に
今回は、「システム5」について見てきました。
「システム5」の考え方は、戦術を考える上でも重要です。
普段の練習からこの考え方を意識して取り組んでみてください。
最後に、今回の記事の参考資料をご紹介します。
- Scott Williams, Randy Petersen:Serious Tennis(1999)
- 日本スポーツ企画出版社:スマッシュ 2018年8月号
最後までお読みいただきありがとうございました。
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