戦術的思考を高める!Situation Trainingとは?

2020/09/11
 
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小学校時代に硬式テニスを始め、大学ではスポーツ科学について学びました。 戦術的なテニスプレーヤーを育成して、おもしろいテニスをするプレーヤーを増やし、日本テニス界の更なる発展に少しでも貢献できればと考えています。

こんにちは、トモヒトです。

今回は、Situation Trainingについて取り上げます。

 

Situation Trainingは、『Situation Training: Key to Training in a Game-based Approach』の中で紹介されている方法のことです。

テニスの指導現場では、ゲームに基づいた指導法(ゲームベースドアプローチ)が主流となっています。

Situation Trainingは、ゲームベースドアプローチの中に従来の球出し練習を効果的に取り入れる方法の1つとして紹介されています。

 

Situation Trainingの考え方を理解することで、ラリー練習をより実際の試合に活かせるものにできると感じました。

ここでは、『Situation Training: Key to Training in a Game-based Approach』をもとにSituation Trainingについて理解を深め、効果的な戦術トレーニングについて考えていきます。

Situation Trainingとは

まずは、Situation Trainingとはどのようなものか、概要を掴んでいきます。

効果的なゲームベースドアプローチ→戦術練習と技術練習を結びつける

戦術にはゲームに勝つために必要な要素(意思決定、問題解決、予測など)を含む

スキルはゲームに類似した状況でトレーニングしなければ、実際の試合でうまく活用できない
→ゲームベースドアプローチでは、球出し練習が避けられてきた

しかし、Situation Trainingの考え方を用いれば、ゲームベースドアプローチに球出し練習を効果的に組み込むことができる

ここでのポイントとして、「戦術と技術を結びつける」という部分が重要かと思います。

すべての練習が当てはまるとは限らないとは思いますが、戦術トレーニングと技術トレーニングは別々に行われ、球出し練習は技術向上に焦点の当てられた練習が多いと感じます。

より実戦に近いドリル練習も、球出しの順序や打つコースが決められていることが多く(=予測や意思決定が排除されている)、本当の意味で戦術トレーニングになっているのか気になるところです。

 

もちろん、技術の修正として戦術を考慮しない技術トレーニングも必要な場面があることは否定できません。

ただし、「技術は、実際の試合で活用できなければ意味がない」という点も忘れてはならないように感じます。

テニスは球技であるため相手との関わり合いが前提にあります。

相手との関わり合いを無視した技術練習では試合との類似性が低く、うまく活用できないというリスクを高めることになると思います。

 

Situation Trainingを理解する上での基本的な考え方

具体的な方法を見ていく前に、Situation Trainingを理解する上で重要となる基本的な考え方について見ていきます。

ポイントごとのプレーの全体像

  1. 最初のショット→サーブ、リターン
  2. ラリーの組み立て(ニュートラル)
    →安定性を保ち、相手のミスを誘うor優勢な状況を作る
  3. 優勢時→ウイニングショットにつながるショットを使うタイミングを見極める
  4. フィニッシュ→ポイントを取るためのウイニングショットを打つ
    (簡単だと考えているプレーヤーが多いが、実際はそうではない)
  5. 劣勢時→相手が③や④の状況にある場合

※この5つの局面すべてをトレーニングする必要がある

戦術トレーニングの際には、「5つの局面のどれに関係したトレーニングなのか」を意識することが大切だといえます。

さらに付け加えるなら、5つの局面と「システム5」の縦の5分割を関連づけてトレーニングするとより効果的になると感じました。

例えば、

  • 最初のショット→ZONE3~4
  • ラリーの組み立て(ニュートラル)→ZONE4
  • 優勢時→ZONE3
  • フィニッシュ→ZONE1~2
  • 劣勢時→ZONE5

といった感じです。

 

 

Shot Situation

Shot Situation→自分のショットから相手のショットを経由して次の自分のショットまでのサイクル

Shot SituationにはContextとResponseの二つの要素が含まれる

  • Context→相手のショットを受ける際に関係する要素(自分や相手の位置、受けるショットの特徴)
  • Response→相手にショットを打ち返す際に必要な要素(プレーの局面、打ち返すショットの特徴)

これは、戦術に関係のある意思決定や予測、問題解決などに関わる部分です。

Contextを瞬時に正確に把握する状況判断能力、そしてContextに対する適切なResponseを限られた時間で導き出す意思決定や問題解決能力を高めることが戦術トレーニングの目的といえます。

「こういう状況ではこうする」というセオリーを教えるのでは、戦術トレーニングとしては不十分であると考えられます。



Situation Training

基本的な考え方を押さえたところで、Situation Trainingの方法について見ていきます。

実は、方法自体はいたってシンプルです。

①練習する状況に対するContextを提示する(相手と自分のポジションはどこで、相手はどんなショットを打ってきたのか)

②それに対するResponseをプレーヤーに考えさせて、トレーニングする

この練習方法では、Contextに変化を加えることが重要→プレーヤーに意思決定を促す

Situation Trainingを行う上で、指導者には試合に基づいたContextをいかに多く示すことができるかが求められます。

また、Responseを考えさせる際のアイデアをうまく引き出すコーチングも重要です。

 

最後に

今回は、Situation Trainingについて取り上げました。

Situation Trainingという練習方法・考え方について触れることで、ゲームベースドアプローチに対する理解が深まったように感じました。

 

ゲームベースドアプローチとは、具体的な練習メニューというよりも練習方法に対する考え方だと思います。

質の高いゲームベースドアプローチには、テニスというゲームに対する理解を深めることが必要だと感じました。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

ご意見ご感想ありましたら、ぜひコメントお願いします。

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小学校時代に硬式テニスを始め、大学ではスポーツ科学について学びました。 戦術的なテニスプレーヤーを育成して、おもしろいテニスをするプレーヤーを増やし、日本テニス界の更なる発展に少しでも貢献できればと考えています。

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