体幹がポイント!テニスのサーブで球種を打ち分けるコツ

2020/07/17
 
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小学校時代に硬式テニスを始め、大学ではスポーツ科学について学びました。 戦術的なテニスプレーヤーを育成して、おもしろいテニスをするプレーヤーを増やし、日本テニス界の更なる発展に少しでも貢献できればと考えています。

こんにちは、トモヒトです。

今回は、サーブの球種の打ち分けのコツについて書いていきます。

ここでは、テニスのサーブで球種の打ち分けについて、「腕と体幹上部に着目した研究」と「体幹下部と下半身に着目した研究」を紹介し、サーブでの回転の打ち分けのコツについてまとめていきます。

※この記事は、右利きを想定しています。

腕や胸椎の動きはサーブの球種ごとにどう違うのか?

まずは、テニスでのサーブの球種ごとの腕・胸椎の動きを分析した「上肢および上胴に着目したテニスサーブにおける回転の打ち分け」という論文の結果を紹介します。

サーブの球種ごとの打点の違い

まずは、球種ごとの打点の違いについて見ていきます。

  • 後ろから見たとき、フラットサーブ・スライスサーブの打点は重心のほぼ真上にあるのに対し、スピンサーブの打点は重心より左側にある
  • 打点の高さは、スピンサーブのときフラットサーブ・スライスサーブに比べてやや低い
  • 打点でのラケット面の向きは、
    フラットサーブ→ボールの進行方向
    スライスサーブ→ボールの進行方向に対してやや左方向
    スピンサーブ→ボールの進行方向に対して左斜め下方向

 

サーブの球種ごとの胸椎の動きの違い

次は、サーブの球種と胸椎の動きの関連について見ていきます。

  • 球種間のスウィング方向の差は、主にインパクト時の胸椎の姿勢の違いが最も大きく関係していた
  • スライスサーブ・スピンサーブでは、フラットサーブに比べて体が開かない(打球方向に対する体幹のひねり戻しが少ない)
  • スイングの途中から、スピンサーブと比較してスライスサーブで体の開きが大きくなる
  • 胸郭の左右の傾きでみると、スピンサーブではフラットサーブ・スライスサーブに比べてインパクト時に胸椎が左に傾いている
  • 体幹上部の前後の傾きでみると、フラットサーブはスライスサーブ・スピンサーブに比べて後ろに反る動きが小さく、スライスサーブとスピンサーブではスイングの途中でスライスサーブのほうが後ろへの反りが小さくなる

 

サーブの球種ごとの腕の動きの違い

次は、サーブの球種と腕の動きの関連を見ていきましょう。

  • 肩の動きや肘の屈曲・伸展の動きは球種ごとで大きな違いはみられない
  • スライスサーブ(スピンサーブ)はフラットサーブに比べて、インパクトで前腕が回外位になっている(前腕を内側にひねる動きが小さい)

 

腕・体幹上部の動きの違いからみた球種を打ち分けるコツ

ここまでの研究結果をもとに、球種を打ち分けるときのコツを腕・体幹上部の点でまとめておきます。

研究結果からいえるのは、胸椎の前後左右への傾きと回旋の度合いが、球種の打ち分けに大きく関係しているということです。

つまり、球種の打ち分けのコツは体幹にあるということです。




 

体幹のコントロールに関わる下半身

球種を打ち分けるには、体幹をコントロールすればいいことが分かりました。

ただ、もう1つ大事なことがあります。

それは下半身の動きです。

 

サーブのスイングは下半身から始動し、体幹を通って腕、ラケット、ボールへとパワーが伝わります。

そのため、下半身の動きも体幹に影響を与えます

次は、下半身の動きと球種の打ち分けの関連を調べた「下肢および胴部の動きに着目した硬式テニスサーブの回転の打ち分け」という論文の結果を紹介します。

球種と腰部の関係

まずは、サーブの球種と腰部の関連について見ていきましょう。

  • スライスサーブ・スピンサーブでは、フラットサーブに比べて腰部の打球方向への回旋が小さい
  • スピンサーブでは、フラットサーブ・スライスサーブに比べて腰部の後ろへの反りが大きく、前に起こす動きのタイミングが遅い

 

球種と下半身の関係

次は、サーブの球種と下半身の関連について見ていきます。

  • 膝関節(特に左)は主にエネルギーの発生に深く関係している
  • 左股関節は、膝関節で作ったエネルギーを体幹へ伝達する役割がある
  • 右股関節は、膝関節で作ったエネルギーを体幹へ伝達する役割に加えて、体幹下部の姿勢制御にも関わっている

 

下半身の動きからみた球種を打ち分けるコツ

それでは、先程紹介した研究結果をもとに、下半身の動きからみた球種を打ち分けるコツをまとめておきます。

まず、球種を打ち分けるには腰部の姿勢をコントロールする必要があります。

フラットサーブは、スライスサーブ・スピンサーブに比べて腰部が打球方向に回転するようにします。

また、スピンサーブでは、フラットサーブ・スライスサーブに比べて後ろへの反りを保つようにします。

 

そして、体幹下部の姿勢をコントロールするのは、右股関節の役割です。

つまり、球種の打ち分けには、右股関節の動きをコントロールすることが必要だといえます。

フラットサーブを打つときは右股関節で体幹下部を打球方向に回旋させ、スライスサーブ・スピンサーブでは、打球方向に回旋しないように右股関節を使います。

 

研究結果から考えるサーブの球種の打ち分けのコツ

それでは、ここまでで紹介した研究結果からサーブの球種を打ち分けるコツを考えていきます。

球種の打ち分けのポイントは、「インパクト時に胸がどこを向いているか」です。

全球種の共通動作

それぞれの球種の詳しい説明の前に、全球種の共通動作を確認しておきましょう。

それは、「腕の振りは球種に関わらずにほぼ同じ」ということです。

同じ腕の振りのまま体幹の向きでスイング方向を変えることで、球種を打ち分けるというイメージです。

肩の動きは、サーブ動作の中のアトラクターに当たるのではないかと思います。

 

ちなみに、腕の振りは「斜め上にボールを投げるときの腕の振り」と考えると、イメージしやすいと思います。

 

フラットサーブ

まずは、フラットサーブから見ていきましょう。

ポイントは、「インパクトで胸を打球方向に向ける」ことです。

  1. 右股関節の動きで上方向への力と回転させる力を骨盤に対して加えます。
  2. インパクト時に胸がほぼ打球方向を向くように、身体を回転させます。

 

スライスサーブ

次は、スライスサーブについて見ていきます。

フラットサーブに似ていますが、「インパクト時に胸が右斜め前を向いている状態を作る」ことでスライスサーブを打つことができます。

  1. 体幹をひねるタイミングを遅らせます。
    それによって、スイング方向を打球方向に対して右方向にずらします。
  2. プロネーション開始のタイミングをフラットサーブよりも遅くすることで、インパクトを斜めにしてボールの右側をこするようにします。

 

スピンサーブ

最後は、スピンサーブについて見ていきます。

スピンサーブは、フラットサーブやスライスサーブと比較すると、特徴的な打ち方といえます。

ポイントは、「後ろから見て胸を右斜め上に向ける」ことです。

  1. 体幹全体を反らせます。
  2. 脚の蹴りは、上方向へ力を伝えて、身体の回転は抑えるようにします。

 

最後に

今回は、サーブの球種の打ち分けに関する研究をもとに、球種の打ち分け方について見てきました。

サーブでの球種の打ち分けには、「体幹の動き」がポイントであるということでした。

 

別の見方をすれば、「体幹の動きをより細かく操ることができれば、さらに様々な回転をかけることができる」といえると考えます。

体幹の操作性を高めて、回転を多彩に変化させることができれば、サーブでの選択肢を増やすことにもつながるのではないかと思います。

これは、戦術的なプレーにもつながりますね。

 

最後に、今回の記事の参考資料をご紹介します。

  • 村田宗紀、藤井範久:上肢および上胴に着目したテニスサーブにおける回転の打ち分け(2014)
  • 村田宗紀、藤井範久:下肢および胴部に着目した硬式テニスサーブにおけるボールの回転の打ち分け(2014)

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

ご意見ご感想ありましたら、ぜひコメントお願いします。

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