1ポイントの重みはスコアで違う!スコアごとの1ポイントの価値

 
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小学校時代に硬式テニスを始め、大学ではスポーツ科学について学びました。 戦術的なテニスプレーヤーを育成して、おもしろいテニスをするプレーヤーを増やし、日本テニス界の更なる発展に少しでも貢献できればと考えています。

こんにちは、トモヒトです。

今回は、1ポイントの価値について書いていきます。

 

例えば、0-0と30-30の場合、どちらのポイントの方がサーブキープに大きく影響するのか、というのは、戦術を組み立てるうえでも知っておきたいですよね。

今回は、2019年の男子プロ選手の試合結果をもとに、スコアごとの1ポイントの価値について考えていきます。

調べ方

まずは、1ポイントの価値についてどのように調べたかを簡単にまとめておきます。

ちなみに、これから書いていく流れはすべてプログラムを組んで自動で行いました。

(そのプログラムに興味がある方はこちら

 

今回は、2019年のATPツアーの男子シングルスの試合結果を対象にしました。

まず、各ゲームごとにどういったスコアをたどったかを記録します。

そして、そのゲームをサーバーが取った(サーブキープした)場合は「W」、レシーバーが取った(ブレークされた)場合は「L」をそのゲームに出てきたスコアすべてに記録しておきます。

例えば、あるゲームで、

0-0
15-0
30-0
30-15
40-15
Game

という展開になった場合、このゲームはサーブキープなので、「0-0」「15-0」「30-0」「30-15」「40-15」のすべてで「W」を記録することになります。

最後に、各スコアごとに「そのスコアからサーブキープする確率」を計算します((Wの数 / WとLの合計)×100)。

 

結果

それでは、結果を見ていきましょう(今回はアドバンテージは省いて話を進めていきます)。

0 15 30 40
0 79.34 62.94 40.76 16.34
15 88.66 76.48 55.74 27.33
30 95.31 88.25 73.47 44.01
40 98.84 96.60 89.94 72.81
表1 各スコアからのサーブキープ率

この表は、ピンクの方がサーバーのポイントを、水色の方がレシーバーのポイントを表しています。

つまり、下に行けばサーバーがポイントを取った、右に行けばレシーバーがポイントを取ったということになります。

 

次は、1ポイントの価値を表にしたものです。

これは、あるスコアでサーバーがポイントを取った場合のサーブキープ率とレシーバーがポイントを取った場合のサーブキープ率でどれだけ差があるかをまとめたものです。

例えば、15-15での1ポイントの価値は、「サーバーがポイントを取って30-15にした場合のサーブキープ率」と「レシーバーがポイントを取って15-30になった場合のサーブキープ率」の差(30-15のサーブキープ率 - 15-30のサーブキープ率)を計算して出していきます。

ただし、サーブキープした場合は100、ブレークされた場合は0として計算しています(例えば40-0の1ポイントの価値は、100-(40-15のサーブキープ率)という計算になります)。

0 15 30 40
0 25.72 35.72 39.39 27.33
15 18.83 32.51 46.14 44.01
30 10.59 23.14 45.93 72.81
40 3.40 10.06 27.19
表2 1ポイントの価値

 

 

 

これは、数値が大きいほどサーブキープ率に大きな影響を与える(=1ポイントの価値が大きい)と考えることができます。




1ポイントの価値からゲームの組み立てを考える

では、この結果をどのようにゲームの組み立てに活かしていけばいいのかを考えていきます。

今回は、サーバー視点で調べたデータなので、ここからの話もサーバー目線で進めていきます
(もしレシーバー側の組み立てを考えたい方は、100から各スコアのサーブキープ率を引いて考えてみてください)

各スコアでのプレー選択

まずは、各スコアでのプレー選択について考えていきます。

 

基本的には、1ポイントの価値が高いスコアほどリスクが低く、自信があるプレーを選択するということになるかと思います。

例えば、15-30の価値は46.14なので、ここで一か八かのギャンブルショットを狙うのは適切な選択とは言い難いと思います。

相手の流れを強引にでも断ち切らないと後々の試合展開にも響くなど、よほどの理由がない限りはリスキーな選択は避けるのが賢明です。

 

反対に、後々の布石を打つなら1ポイントの価値が低いスコアで仕掛ければ、たとえそのポイントを落としてもダメージが少なくて済みます。

見せ球としてリスクの高い選択をするなら、このスコアで使うとよいかと思います。

 

サーブゲーム全体としての考え方

次は、サーブゲーム全体で考えていきます。

これは、プレーヤーの性格によって考え方を変えるのがいいかと思います。

イメージとしては「要所を締める」か「先行逃げ切り」の2タイプに分かれると考えています。

 

例えば、「30-30のような重要なポイントではプレッシャーで崩れやすい」なら、前半から仕掛けて1ポイントの価値が高いスコアを避けるという方法があります。

ずっとサーバーリードの展開であれば、比較的1ポイントの価値が低いスコアが続きますし、そもそもリードしているので精神的に楽になります。

サーブゲームの最初のポイントを取るか落とすかでサーブキープ率が9割近くに上がるか、6割台に落ちるかは意外と重要かもしれません。

 

ただし、「先行逃げ切り」で戦術を立てた場合、レシーバーにリードされたら苦しい展開になります。

そのため、基本的には「要所を締める」ようにゲーム全体を組み立てるのが、バランスが良く安定すると感じます。

1ポイントの価値が低いスコアでは7~8割でプレーし、価値の高いスコアでは9~10割にギアを上げるというイメージです。
(もちろん、ギアを上げるといってもリスクの高いハードヒットをするという意味ではないです)

 

最後に

今回は、1ポイントの価値と、それに基づいたプレー選択について考えてきました。

今回は、男子プロの試合を参考にしたので、そっくりそのまま一般のプレーヤーの方に当てはまるとは限らないですが、参考にはなるかと思います。

サーブキープするにはどういったプレーが必要なのかは、下の記事も参考になるかと思います。

 

私自身、「戦術的なプレー」というものを感覚だけに頼らず、統計的にも考えていきたいと考えています。

今後も、このような内容の記事を増やしていくつもりです。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

ご意見ご感想あれば、ぜひコメントお願いします。

「こういう結果の解釈もできる」や「こういう調べ方のほうがいいのでは?」といったご意見いただけると嬉しいです。

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小学校時代に硬式テニスを始め、大学ではスポーツ科学について学びました。 戦術的なテニスプレーヤーを育成して、おもしろいテニスをするプレーヤーを増やし、日本テニス界の更なる発展に少しでも貢献できればと考えています。

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