武術に学ぶ!上達できる練習の条件とは?

 
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小学校時代に硬式テニスを始め、大学ではスポーツ科学について学びました。 戦術的なテニスプレーヤーを育成して、おもしろいテニスをするプレーヤーを増やし、日本テニス界の更なる発展に少しでも貢献できればと考えています。

こんにちは、トモヒトです。

今回は、上達できる練習について考えていきます。

 

上達に練習が必要なことは言うまでもありませんが、どんな練習が上達につながるかは、様々な考え方があるかと思います。

ここでは、甲野善紀氏と長い時間を共にしてきた著者が書いた『上達論 基本を基本から検討する』をもとに、上達できる練習について考えていきます。

自分がどの階層の練習をしているのか?

技の稽古をする際に、どういった意識で取り組むかによって3つの階層に分かれます。

第三層:「応用
一番表面にある層で、「実戦」や「組み手」、「乱取り」と呼ばれる部分

第二層:「
「応用」と「原理」の中間にある層で、実戦や日常で使用される技術群

第一層:「原理
一番奥深くにある層で、技や動きを運用する最重要部分

 

これをテニスに当てはめると、次のようなイメージになるかと思います。

  • 第三層→練習試合、戦術練習
  • 第二層→技術練習(フォームやフットワーク)
  • 第一層→身体の使い方(内部感覚)

 

大事なのは、今取り組んでいる練習はどの層を意識したものなのかを明確にすることです。

実戦的な練習がしたいのか(第三層)、テクニックを磨きたいのか(第二層)、テクニックの土台となる身体内部の感覚を変化させたいのか(第一層)によって、同じ練習メニューでも取り組み方が変わってきます。

武術の稽古に比べると、違いがはっきりとして明確にしやすいですが、重要な考え方です。

 

技を磨く妨げとなる「稽古の病」

武術を学んでいく上で「稽古の病」と呼ばれるものがあると、述べられています。

例えば、「技を成功させたい」と思うあまり、テクニックばかりを追い求めて、原理をおろそかにしてしまうことがあります。

これは、「小手先の病」と呼ばれるものです。

 

また、「まだまだ未熟」な状態で、テクニック向上や実戦に取り組んで「本格的なことをやっている」という妄想に囚われるという問題もあります。

これは、「本格派ごっこの病」と呼ばれるものです。

 

この2つに共通しているのは、「結果を急ぐあまり、表面的な部分にしか意識が向いていない」ということです。

変化が目に見えて分かりやすい部分を積み重ねて、目に見えない「原理」の部分をおろそかにしてしまっては、早い段階で頭打ちになってしまいます。

 

これは、テニスでも当てはまります。

身体をうまく操れない状態で、テクニックや戦術でごまかしても早くに限界を迎えてしまうでしょう。

身体の使い方に悪い癖が染み付いていれば、それが怪我の原因にもなってしまいます。

 

身体の感覚をより鋭くする、動きの質を高めることは、生涯かけて取り組むレベルのもののように思います。

ウォーミングアップやトレーニングとして、これらを磨くことを怠らないようにしていくことが大切だと思います。

 

「原理」の部分を高めるには?

「原理」の部分を磨くことが大切なことは分かりましたが、ではどのようにして高めていけばいいのでしょうか?

これは、「癖を抜き、体の原理を組み替える」事だと表現されています。

 

ここでポイントとなるのが、「根本原理組み替えの三原則」です。

  • 低負荷・・・負荷の少ない環境である事。
    筋肉が疲労するような重い道具を扱わず、対人の稽古ならば受け手側が全力で阻止するような負荷を掛けない。
  • 低速・・・「ゆっくり」行う事。
    速度は「ごまかし」となり、自分の動きの「質」を丁寧に観察できない。
    また、速度を出す事自体も「負荷」なので、「原理組み替え」の支障となります。
  • 単純・・・「単純な道具」「単純な動き」で行う事。
    道具や動きが複雑になるほどそちらの扱いに意識や神経が偏り、「根本原理」や「癖」にまで思いが届かなくなります。

その人の動きの「質」のレベルは、単純な動きの中にこそ出るそうです。

だからこそ、単純な動きの質を高めるために、単純でゆっくりとした動きで癖を抜いていくことが必要なのです。

 

また、こういった稽古を行う上で、身体と対話しながら実験していくという考え方が必要となります。

ここでいう「実験」とは、毎回「新しい事」に取り組むことを表します。

 

ここで大切なのが、失敗を責めないことです。

「新しい事」に取り組んでいれば、失敗するのは当然です。

そこで指導者が叱ってしまえば、「実験」を恐れてしまい上達を妨げてしまいます。

指導者は「命綱」として、致命傷となりうる大怪我には気をつけつつ、のびのびと失敗できるようにしてあげることが大切になってきます。

 

終わりに

今回は、上達できる練習について考えてきました。

今回書いた内容以外にも、目から鱗の内容がたくさん書かれていたと感じています。

 

武術の動きをスポーツに応用するという考え方は、あらゆる競技でも広まっているように感じます。

私自身も、武術をテニスに取り入れようと考えていましたが、今回『上達論』を読んで武術の可能性と奥深さを感じました。

表面的な部分だけを取り入れたのでは、本当の意味で「武術とテニスの融合」は果たせないなと思いました。

目に見えない「原理」の部分を含めて、より深く武術について学んでいきたいなと感じました。

その成果は、ここでシェアしていこうと思います。

 

最後に、今回の記事の参考資料をご紹介します。

  • 甲野善紀、方条遼雨:上達論 基本を基本から検討する(2020)

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

ご意見ご感想ありましたら、ぜひコメントお願いします。

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小学校時代に硬式テニスを始め、大学ではスポーツ科学について学びました。 戦術的なテニスプレーヤーを育成して、おもしろいテニスをするプレーヤーを増やし、日本テニス界の更なる発展に少しでも貢献できればと考えています。

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