戦術的ピリオダイゼーションをテニスに活かす

2020/05/17
 
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小学校時代に硬式テニスを始め、大学ではスポーツ科学について学びました。 戦術的なテニスプレーヤーを育成して、おもしろいテニスをするプレーヤーを増やし、日本テニス界の更なる発展に少しでも貢献できればと考えています。

こんにちは、トモヒトです。

今回は、サッカー界で注目されている「戦術的ピリオダイゼーション」について取り上げます。

戦術的ピリオダイゼーションの概要から、テニスへの活用について見ていきます。

戦術的ピリオダイゼーションとは?

まずは、戦術的ピリオダイゼーションについて簡単にまとめていきます。

戦術的ピリオダイゼーションとは、戦術を優先したサッカーのピリオダイゼーションです。

この理論は、「戦術があってこそ、技術や運動能力といったパフォーマンス要素をサッカーに活かすことができる」という考えに基づいています。

そのため、戦術的ピリオダイゼーションでは、常に戦術が計画とトレーニングの中心となります。

 

戦術的ピリオダイゼーションでは、まずゲームモデルと呼ばれる「チームの目指す姿」を明確にします。

そして、それにもとづいたプレー原則を決定し、エクササイズに落とし込んでいきます。

プレー原則にもとづいたエクササイズを行うことで、プレーヤーはチーム全体の戦術的な判断基準を共有することができます。

 

テニスで戦術的ピリオダイゼーションを取り入れるメリット

では、テニスに戦術的ピリオダイゼーションを取り入れるメリットはどのようなものでしょうか?

一貫性のある練習ができる

戦術的ピリオダイゼーションでは、ゲームモデルにもとづいたプレー原則を取り入れたエクササイズを行います。

そのため、すべてのエクササイズがゲームモデル達成を目指したものとなります。

テニスでは、ゲームモデルが「目指すテニス」となり、すべてのエクササイズが目指すテニスに必要な要素を含んだものとなります。

戦術的ピリオダイゼーションを取り入れることで、目指すテニスの実現を目的とした一貫性のある練習を行うことができます。

 

そのクラブの育成方針を明確にできる

クラブでゲームモデルを設定することで、「自分たちのクラブでは、このようなプレーヤーの育成を目指しています」とクラブ内外に示すことができます。

ゲームモデルをクラブ内外に示すことで、それぞれにメリットがあります。

 

クラブ外にゲームモデルを示すことで、プレーヤーとのミスマッチを防ぐことができます。

指導者とプレーヤーには、それぞれ「目指すテニス」があると思います。

もし指導者がゲームモデルとして「どのようなプレーヤーを育成するか」を明確にしていなければ、プレーヤーの目指すテニスと方向性が合っているかを判断するのが難しくなると思います。

ゲームモデルを示しておけば、「ここなら自分の目指すテニスと合いそうだ」とプレーヤーが判断しやすくなります。

 

クラブ内にゲームモデルを示すメリットは、「スタッフ間で方針の共有ができ、指導にズレが生じるのを防ぐ」というものが考えられます。

クラブによっては、複数のコーチがいる場合や、トレーナーなどのスタッフがいることがあります。

ゲームモデルを示すことで、「目指すプレーヤー像」を共有することができ、スタッフごとにアドバイスの内容が変わるリスクを最小限に抑えることができると考えられます。

それにより、プレーヤーが混乱することを防ぐことにもつながります。

 

戦術的ピリオダイゼーションをテニスに活かすには?

それでは、戦術的ピリオダイゼーションのテニスへの活用を考えていきます。

テニスとサッカーの違い

戦術的ピリオダイゼーションをテニスに活かすには、サッカーとテニスの違いを明確にする必要があります。

まずは、チームスポーツか個人スポーツかの違いが挙げられます。

チームスポーツであるサッカーに比べて、個人スポーツであるテニスではプレーヤーの価値観がより大きな影響を与えると考えられます。

そのため、ゲームモデルを作成するときに、プレーヤーの考えを取り入れられるように工夫する必要があります。

 

また、ゲームモデルをプレー原則に分解するときの考え方も異なります。

サッカーでは、試合内での局面(攻撃、守備、攻守の切り替え)ごとに、チーム戦術から個人戦術へと段階的に分解していきます。

しかし、テニスへ戦術的ピリオダイゼーションを取り入れるためには、「局面の設定」と「ゲームモデルの分解」を変更する必要があります。

1つ目の「局面の設定」ですが、テニスでは攻守が一体となっており、攻撃と守備を明確に分けるという考え方は当てはめにくいです。

そのため、別の基準で局面を設定する必要があります。

2つ目の「ゲームモデルの分解」については、個人スポーツであるテニスではゲームモデルの下が「個人戦術」となります。

そして、「個人戦術にもとづいたプレー方針」とより細分化していきます。

 

最後に

今回は、戦術的ピリオダイゼーションをテニスに活用する方法について見てきました。

戦術的ピリオダイゼーションを取り入れることで、練習の方向性が明確になり練習の質を高めることにつながると考えます。

テニスに適した戦術的ピリオダイゼーションの詳細や、私ならどのようなゲームモデルを作るかは別の記事で触れたいと思います。

 

今回の記事の参考資料をご紹介します。

  • ティモ・ヤンコフスキ:日本人に教えたい戦術的ピリオダイゼーション入門(2016)
  • 脇真一郎:プレー経験ゼロでもできる実践的ゲームモデルの作り方(2019)

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

ご意見ご感想ありましたら、ぜひコメントお願いします。

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小学校時代に硬式テニスを始め、大学ではスポーツ科学について学びました。 戦術的なテニスプレーヤーを育成して、おもしろいテニスをするプレーヤーを増やし、日本テニス界の更なる発展に少しでも貢献できればと考えています。

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