『「発問」する技術』

こんにちは、トモヒトです。
今回は、『「発問」する技術』という本をご紹介します。
この本は、発問に関して一冊の本にまとめられたものです。
塾講師や教師の経験をもとに書かれているので、内容としては学校での発問という部分がメインとなっています。
コーチングのなかで、発問はプレーヤーの思考を促すうえでも重要なスキルといえます。
今回は、本の内容をもとにテニス指導での発問について考えていきます。
もくじ
練習前の発問で練習のゴールを明確に!
練習を始める前の発問で、その日の練習に対する取り組み方を変えることができます。
次の質問をプレーヤーに投げかけて、練習のゴールを明確にしておきます。
「今日の練習でどんなことを身につけたい?」
「それを身につけるには、練習でどんなことを気をつける?」
この本でも何度か出てきますが、人間は人に言われたことには従いたくなく、自分で考えたことには素直に従うという性質があります。
この性質を利用して、練習のゴールを自ら設定させることで、そのゴールを達成しようという意欲を高めます。
練習中の発問で発想を広げる!
戦術的なプレーでは、考える力がカギとなります。
発問を通して、プレーヤーの思考を揺さぶって、発想を広げることも大切です。
練習中に発想を広げる発問として、私は次の2つがあるかなと思います。
発問への答えやプレーに対する「なぜ?」
これは、発問への答えやプレーを深掘りしていくことを目的としています。
例えば、発問への答えに対して
「なぜそう考えたの?」
と、さらに考えさせることで、より思考を深めていくことができます。
他にも、印象的なプレーや面白いプレーを取り上げて
「どんなことをイメージしてプレーしてたの?」
という発問で、ラリーの組み立てに関して言語化させることも重要です。
ただし、この発問を効果的に用いるためにも、次のことに注意する必要があります。
- 戦術的思考力が低いプレーヤーにとっては、深堀りするだけの思考力が備わっていない可能性もあります。
無理に答えさせようとすると発問を受けることが辛くなる恐れもあるので、プレーヤーの戦術的思考力にも配慮します。 - 聞き方に圧迫感を感じてしまえば、発問というよりも問い詰められているという印象を与えかねません。
相手の答えやプレーを受け入れる姿勢を示す、柔らかい口調で発問することで、プレーヤーが安心して自分の意見を答えられる雰囲気を作ることが大切です。 - あくまでも思考を深めることが目的なので、答えの正否にはこだわりすぎないようにします。
どうしても指摘する必要がある場合は、次に紹介する「じゃあ~?」を使って、別の視点から捉えて気づきを与える形にします。
「じゃあ~?」で別の選択肢を検討してみる
この発問は、発問への答えやプレーに対して、別のパターンを提示することで別の選択肢について思考を深めることが目的です。
これには、次の2つの効果があります。
- 別の選択肢について考えることで、すでに出ている答えやプレーのメリット・デメリットを深掘りする
- 別の選択肢を示すことで、思考の幅を広げる
例えば、ラリーでダウンザラインにエースを取ったときに、
「じゃあ、最後のショットをクロスに打っていたらどうなっていただろう?」
「じゃあ、他にポイントになりそうなコースはなかったかな?」
という発問を投げかけます。
クロスに打ったパターンについて考えることで、逆にダウンザラインに打ったという選択がどうだったのか、どういう意図でダウンザラインに打ったのかと考えることにもつながります。
また、他の選択肢を考えさせることで、プレーの幅を広げることにつながるだけでなく、プレーを選択するにはどんな情報を得る必要があるのかという部分を考えることにもつながります。
練習後の発問で、練習の振り返り
練習の後にも、発問が効果を発揮します。
練習後には、その日の練習を振り返るきっかけとなる発問をします。
例えば、次のような質問です。
「練習前に身につけようと思ったことはどのくらいできるようになった?」
「今日の練習で大事だと思ったことは何?」
「今日の練習を踏まえて、次の練習ではどんなことを意識する?」
これらの発問は、練習を振り返り、次の練習や今後活かせそうなことを言語化させることが目的です。
思考を言語化する訓練は、テニスに限らず様々な場面で必要となるスキルです。
テニスを通じて訓練しておくといいかなと思います。
まとめ
今回は、『「発問」する技術』という本をもとに、テニス指導での発問について考えてきました。
この記事では触れませんでしたが、よい発問には事前準備が大切、発問の種類と使い分けなど、他にも学べる要素がたくさん書かれています。
興味がある方は、ぜひ読んでみてください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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